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博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

イカ墨色素の粒子径

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前回試しに調製してみたイカ墨色素水溶液だが、静置して一晩置いていたら、容器の底に沈殿しているものがあった、このあたりの顔料を分散するのに、どうしたら良いかという話は、万年筆評価の部屋のインキと科學の文献研究に詳しい、読むのは、解説【インキと科學】 その3−1その4その5のあたり、簡単にまとめてしまうと、ストークス (Stokes) の式に従うような粒子径だと、いずれ沈降してしまうので、コロイド分散系にあたるような粒子径 (5〜100nmくらい) まで粒子径を小さくしてやり、かつ小さくした粒子が再度粒子同士付着して凝集しないように、工夫してやる必要がある。解説【インキと科學】 その6−1にあるような、粒子の電荷を揃えるというのも一つの方法ですし、疎水コロイドに親水コロイドを加えて、疎水性粒子表面を親水性粒子でコーティングし、安定化させるという手法もよく使われます。昭和9年の「最新化学工業体系」中には、昔の安全インキの処方として、ランプ黒 (カーボンブラック) にアラビアゴムを混和して作るものがありますが、これなど、疎水性粒子のランプ黒を親水性粒子のアラビアゴムで安定化したものだといえます。
イカ墨色素水溶液中のイカ墨色素の粒子径がどれくらいか、動的光散乱法を利用した粒子径測定装置で測定してみたところ、233.6nm、951.3nm、5316nmの3箇所にpeakが認められ、明らかに粒子径が大きすぎることが分かりました。

万年筆博士のイカ墨セピアインクは、イカ墨を超微粒子加工しているとのことなので、何らかの手法でイカ墨色素をコロイド分散系になるような粒子径まで小さくしているのでしょう。