以前書いた記事のコメント欄でいただいたご質問なのですが、よい機会なので新しい記事にしてみました。
古典的万年筆インクの中でも特に古典色の強いインク4種を二価鉄指示薬紙で評価してみる。 - 趣味と物欲
この記事とはインク以外関係ないんですが、渋いインクとは代表的に言ってなんですか?私はペリカンだけは教えてもらいましたが・・・他にありますか? mituno235
渋いインクと言った場合、万年筆からのインクの出 (フロー) が悪いものを意味するのでしょう。
私の主観ですが、今まで使った中で特に渋いと感じたのは、ラミーのブルーブラック (ボトル) です。古典ブルーブラック*1のインクは一般的に渋い傾向があるかもしれません。
mituno235 さんはペリカンを例に挙げられていますが、ペリカンのブルーブラックもラミーのブルーブラック (ボトル) も古典のブルーブラックです。古典ブルーブラックの沈殿を抑制するために加える安定化剤が粘度を上げるため、フローが渋くなる傾向にあるのだと思います。
ただ、古典ブルーブラックだと、絶対に粘度が高くなるわけではなく、私が自作した古典ブルーブラックは、シャバシャバという感想をいただくらい粘度が低いですが、充分安定しています。
逆にフローが良いインクだと、パイロットのインキは、一般に粘度が低くどれもフローが良いと感じられます。インクの渋さを数値化するなら、粘度が一つの目安になるので、趣味の文具箱 Vol.11*2に掲載されている万年筆インクの粘度のデータを参考にされてみてください。
ただし、インクのフローを決めるのはインクだけではなく、万年筆と紙の影響が非常に大きいので、自分が使う万年筆と紙を使って、自分に合ったフローになるインクを選ぶのが良いと思います。
同様のことが、インクの裏抜け、裏移り、速乾性等についても言えますので、このあたりのことはインク単体で評価してもあまり意味が無いことかと思います。
ちなみにLAMYのブルーブラックのボトルインクは古典ブルーブラックですが*3、カートリッジは染料のブルーブラックです。
pgary.hatenablog.com