趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

エーデルシュタインのタンザナイトは古典BBではないと聞いていたけど一応調べてみた。

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ペリカンの万年筆用インクの新しいシリーズ、エーデルシュタインではタンザナイトという色がブルーブラックにあたる色なので、チェックしようと思っていたのですが、日本での発売開始が他の色より遅れ、また人気もあるようで通販サイトでも早々に売り切れになり、入手できずにいました。

古典ブルーブラックではないという話は、Pen and message. 想いを込めるインクの色ブルーブラックの話 その1。: Storia Di Un Minutoの記事で知っていたので、そのうち手に入るだろうとのんびりかまえていたのですが、丸善に入荷していました。

ペリカンのブルーブラックに色をよく似せてあると感心します。

趣味の文具箱のVol.16やVol.23の記事でも使用した、二価鉄指示薬紙を使って古典ブルーブラックかどうかを試験します。二価鉄指示薬紙は、鉄(II)イオンと反応し赤くなることを利用して、鉄を含む古典インクかどうかをチェックする仕組みです。右端の短冊の矢印の部分のように、古典BBであるペリカンのブルーブラックは赤く呈色しますが、古典ではない、中央のタンザナイトや左端のロイヤルブルーは赤くなりません。

ペーパークロマトグラフィーで色素を分離してみました。展開溶媒には70%エタノールを使用しています。中央のレーンのタンザナイトには青の色素に黄色と若干の赤の色素が見えます。これは色を混色して黒を作るときの方法です。タンザナイトは青の強い黒インクと言ってもよいかもしれません。

色の作り方としては、セーラーのブルーブラックと似ているように思われたので、一緒にペーパークロマトを上げてみました。右側のセーラーのブルーブラックと比べると黄色の色素が多く入っていることが分かります。
ペリカンのブルーブラックは成分の関係でアメリカで販売できなくなっていましたし (ペリカンのブルーブラックインクは米国では販売できない? - 趣味と物欲)、古典インクは使わないという人も多いので、染料でブルーブラックとほぼ同じ色を出してきたペリカンの戦略は理解できます。

趣味の文具箱 23

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趣味の文具箱 16 (エイムック 1918)

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