趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

最近パタパタと古典ブルーブラックじゃなくなったのはコスト的な面が大きいと思います。

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2chのインクスレ57瓶目の516より、鉄ペンと古典ブルーブラックの話は、少なくともパイロットに関しては戦前に解決しているではないですかという記事に対するご意見です。

>少なくともパイロットの白ペンに関しては、既に戦前に、
>古典ブルーブラックインクを使ってよいことになっていたようです。
と書いて有るけど、当時の認識としてはOKだったけど、今は危険だから
古典インクが無くなったとも取れるよな?

確かにこの方のおっしゃるとおりで、パイロットの白ペンが大丈夫だったからといって、最近の鉄ペンでも同様に大丈夫だということにはなりません。戦前に耐酸性の強い素材が作れたからといって、今もパイロットがその素材を使っているということにはならないからです。最近のパイロットの万年筆用インキは染料ですから、そんなに耐酸性の強い素材を使う必要はないでしょうから。
ただ、最近パタパタとLAMYのブルーブラックのボトルインクやモンブランのミッドナイトブルーのボトルインクが染料インクに変わったのは、別に今更危険だからとやめたわけではないと思います。単純にコスト的な問題でしょう。
毎日毎日大量の万年筆インクが消費されていた時代に比べ、現代の万年筆インクの消費量は激減しています。昔の消費量なら利益の出ていたインクの単価も、現在では割に合わなくなっていると思われます。ほとんどが染料インクの中で、古典ブルーブラックという特殊な一色のインクのための材料を揃え、製造するのは無駄ですし、ましてやカートリッジ用の染料とボトル用の古典ブルーブラックを別に作るなど無駄以外の何ものでもありません。現在でも利益の出る適正価格に値上げしようと思ったら、プラチナの用に瓶と容量を変えるとか、モンブランの用に耐水性のあるブルーは顔料にしてしまうなどの工夫をする必要があります。
現在は皆で同じ色を大量に使うのではなく、自分だけの特別なインクを少量だけ使うことに価値が置かれる時代ですから、混色可能な染料インクで、個人限定やショップ限定のインクを作り、希少価値を付けて売るのが、メーカーもユーザーも幸せになる方法なのだと思います。