趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

実験ノート等、耐久性と改竄防止性が必要な手書き記録に使う筆記具は何が良いか。

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表題の様なことを聞かれることがあるのですが、lightfastnessのページが非常に参考になります。
lightfastness.blogspot.jp
一般に検討される耐水性、耐光性だけでなく、耐薬品性も検討されています。これら全てを満たすものとなると、lightfastnessのまとめにあるように、選択肢は顔料一択となります。

油性なら油性顔料のぺんてる Rolly、ゲルならuni SignoかZEBRA サラサ、ぺんてるのハイパーG(コメントでご指摘いただいたので追記)、水性なら水性顔料のユニボール アイビジョンエリート、敢て万年筆を使うなら、プラチナ カーボンインクセーラー 青墨でしょうか、極黒は水で滲むので今一です。
また、ジェットストリームに代表される低粘度油性ボールペンは長期保存していると筆記線が滲んだり、裏抜けしたりすることがあるので、実験ノートには向いていないと思います。

個人的には、インク量が目に見えて、インクが残っている限り、まず書ける、直液式水性顔料インクのボールペンが好きで、特にシンプルなデザインのユニボール アイが好きです。それに、ビジョンエリートの現行品は黒と赤の2色ですが、ユニボール アイは黒赤青の3色あります。*1
追記:VISION ELITEの店頭在庫を見つけたので黒、赤、ブルーブラックの3色を購入し、こちらをメインに使っています。VISION ELITEの方が少しだけ高い分、少しだけ書き味が良いかも*2
古典ブルーブラックの記事をたくさん書いておいてなんですが、ガンヂー インキ消で簡単に消せてしまいますから、改竄防止性が必様な用途に古典ブルーブラック(没食子酸鉄インク) を使ってはいけません。
色々なインクが存在する現在においては、古典ブルーブラックは耐久性を期待して使うものではなく、万年筆に特有のインクを楽しむためのものであると思います。

古典ブルーブラックは、そこそこの耐水性・耐光性はある。比較的裏抜けや滲み難い。書いた後の色の変化が楽しめる。昔ながらのインキ消しで消すこともできる。ペンが汚れたらアスコルビン酸できれいに落とせる。そして何より万年筆でしか使えない*3インクなのです。

最近は、実験ノートの取り方の本が色々と出版されはじめましたが、既に絶版の廣川化学と生物実験ライン28「実験ノートの書き方・まとめ方」は今読んでも面白いです。
日本語訳が出たのは今から20年前の平成5年ですが、元は1988年にAmerican Chemical Societyから出ている「Writing the laboratory notebook」という本です。書き方だけでなく、紙や筆記具についても検討されています。

pgary.hatenablog.com

*1:最近は更に色数が多い顔料ゲルインクのユニボール ワンを使っています。

*2:気のせいかも

*3:サインペンやカートリッジ式のローラーボールで使えないこともないですが。