上記の記事で、2014年5月に染料・顔料・古典インクがガンヂーインキ消しでどれくらい消えるか試した時の紙が下のもので、水には耐える染料や古典のインクもガンヂーインキ消しではきれいに消えてしまいます。
正式な書類にはブルーブラック(古典,没食子)というのも昔の話で、改竄されて困るような書類や実験ノート等では顔料のボールペンやインクを使うことが推奨されています*1。
上の画像の紙を、北向きの窓ガラスの内側に1年と10ヶ月程貼っていたものが下の画像になります。
顔料のセーラー青墨、顔料を配合してあるヌードラーズのAircorpブルーブラックは筆記したものがしっかり残っています。
染料のインクはどれも消えていますが、セーラージェントルインクのブルーブラックの方がパイロットBBより若干残っているようです。
古典のブルーブラックでは、プラチナ、ペリカン、ローラー&クライナーのサリックスはほとんど消えてしまっていますが、ダイアミン、英雄、ワグナーのインクは薄くはなっているものの筆記線が残っています。
古典ブルーブラック間の筆記線の残り方の違いは鉄の量が影響していると考えられます。筆記線が読めるくらい残るようにしようと思ったら、かなりの鉄分の添加が必要です。
ワグナーインクの鉄の量は、戦前のドイツ規格に準じていますから、ほぼ同じくらい残っているダイアミン レジストラーズは昔の規格に準じた昔ながらの処方で作られていると考えられます。
英雄202はそれより少しだけ鉄を少なめにしてあり、プラチナ、ペリカン、ローラー&クライナーなどは、かなり鉄を控えめにして安全性に配慮した処方になっていると考えられます。
同様の耐光性・耐水性テストの結果として、下記の記事があります。
pgary.hatenablog.com
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