趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

PalmでSONYなCLIEをポメラっぽく使ってみる。

QRコードを作成できる端末なら、何でもポメラ*1っぽい運用できそうだと言うことで、Linux Zaurusに続いて、Palm端末をポメラ化してみます。
Palmと言えば、元はグラフィティ (Graffiti) 入力が革新的だった手書きPDA端末ですが、SONYは独自に拡張して、キーボード付きのPalm端末 CLIEを何機種も出しています。
キーボードが付いた機種じゃないとポメラ化する意味が無いでしょうから、今回は、CLIE PEG-NX73V *2をターゲットにしてみます。

CLIE PEG-NX73Vがどんな端末なのか動画にしてみましたが、今見ても機能盛り沢山で、当時のPDAのすごさが分かります。この後、スマホに乗り遅れて凋落して行ってしまうわけですが。
CLIEにはメモリースティックスロットがあるので、Palm (CLIE) Desktopが無くてもアプリを入れることはできるのですが、検索してみると、Windows10でPalm Desktopを使う記事がありましたので、参考にさせていただき設定しました。
kumarajyu.blog.fc2.com
以前使っていた時は、Palm Desktopで、アプリのインストール以外に、予定や住所録のSyncもやっていて、それが良かったのですが、今では予定や住所録はiPhoneMacで管理しているので、アプリのインストール機能だけ使用しました。
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久し振りにPalmwareを探してみたのですが、無くなっているページも多いです。何より、Muchy's Palmware Review!が無くなっているのが大きいです。Palmware界の窓の杜のようなサイトでしたから。
kakakumag.com
ありがたいことに、QRMailというQRコードを作成できるPalmwareを開発して、公開されている、ぱむ屋さんのサイトは残っていました。
ぱむ屋
QRMailマニュアル
下記の簡単な文章をQRMailで作成して、QRコードに変換してみました。
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Palm OS端末のCLIEでもpomera的運用を試してみる。
HP100LXとLinux Zaurusの間で、IBM WorkPadを使っていましたが、キーボードは付いていないので、グラフィティで結構な長文も書いていました。

このQRコードiPhoneで読み込んで、はてなブログに貼り付けるポメラ的運用ができました。
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ただ、PEG-NX73Vのキーボードに慣れていないので、これだけの短文を打つのにもミスが多く、苦労しました。
PEG-NX73Vは最近手に入れたもので、私が、HP100LXとZaurus MI-E1*3の間に使用していたPalm端末は、IBM Workpadでした。
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絶妙にSHIFTの位置にあるCTRLと、Enterの位置にあるBackspaceが打ち間違いを誘います。
また、キーの出っ張りが低く、押し込みが固いです。慣れの問題かもしれませんが、Linux Zaurusのキーの方が打ちやすいです。
pgary.hatenablog.com
以前、Linux Zaurusポメラ的運用を紹介しましたが、その後、同様にLinux Zaurusポメラ的に使っている方の記事を見つけました。
sinmoble.com
QRコードアプリは、使用できる端末の幅を広げますね。

*1:kingjim pomera https://www.kingjim.co.jp/pomera/

*2:PEG-NX73V https://www.sony.jp/products/Consumer/PEG/PEG-NX80V/

*3:文例の中では、Linux Zaurusと書いていましたが、SL-C700の前にMI-E1を使用していました。

パーカー51復刻モデルのキャップがネジ式になったらJINHAOもネジ式になるのは流石です。

パーカー51系の万年筆は、今は常用していないのですが、時々使いたくなってしまいます。
また、パーカー51リスペクトの万年筆は、英雄をはじめとした中華万年筆に限らず、かつては日本でも、たくさん作られていたので、いつの間にやら増殖してしまいます。
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パーカー51の復刻モデルはキャップがネジ式になった*1と聞いて、気になっていたのですが、Amazonを見ていたらパーカー51をリスペクトしたJINHAOの万年筆もねじ式*2になっていました。
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JINHAO85というモデルで、軸の材質が数種あるのですが、パーカーでは出ないであろう木軸を選んでみました。
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純正インクを持っていない万年筆には、パーカーかウォーターマンのブルーブラック、またはシェーファーのブルーを入れることが多いです。フローや乾燥性、耐滲性や耐水性が、どれも一番では無いのですが、程々でバランスが取れていると感じるインクです。
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今回は青を入れたい気分だったので、シェーファー ブルーで、コンバーターは付属のものです。
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シェーファー ブルーは、青のイメージそのままの、青らしい青だと思います。
普通の向きで書いたのと、裏書きで書いたの、どちらも普通に書けますが、実用的だけど、固くて、万年筆を操る面白さはない書き味と感じます。
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安い中華万にありがちな構造で、インナーキャップは無く、キャップの中はクリップを止めるネジが剥き出しです。これで、インナーキャップが付いていれば、もう少し評価が上がるのですが。

pgary.hatenablog.com
pgary.hatenablog.com
pgary.hatenablog.com

*1:スクリュー式とも言う。これまでのモデルは嵌合式だった

*2:医者はどこだ

古典インク(没食子インク)を入れた万年筆を洗浄するのに使うアスコルビン酸は普通のものが良いです。

古典インク*1 (没食子インク)を入れた万年筆を洗浄するのに、アスコルビン酸 (ビタミンC) を推奨しています。

古典インクによる汚れは、酸化された鉄とタンニンのキレート化合物なので、再度、水に溶かすには、

  1. 鉄を還元する。
  2. 酸性にしてキレートを作り難くする。
  3. キレート能のあるもので、キレート化合物ができるのを邪魔する。

などの方法が有効ですが、還元性+酸性+キレート能があり、安全性が高く、入手しやすい物質として、アスコルビン酸は現状ベストだと思います。
アスコルビン酸 - Wikipedia

食品添加物グレードのアスコルビン酸を袋で購入すると、そのまま飲んだり、料理にも使えるのでコスパが高いです。

アスコルビン酸は水溶性のビタミンです。

最近は、アスコルビン酸の吸収性を向上させる目的で、アスコルビン酸をリポソームという脂質二重膜で出来たマイクロカプセルの中に入れたり (リポソーム化ビタミンC)、アスコルビン酸脂肪酸を付けて脂溶性にしたパルミチン酸アスコルビル (ステアリン酸アスコルビル、オレイン酸アスコルビル) 等も売られていますが、これらがペン先やペン芯に付着すると、 水をはじき、万年筆のフローを悪化させることに繋がりますので、使用しないでください
リポソーム - Wikipedia
パルミチン酸アスコルビル - Wikipedia

万年筆の洗浄に使う分だけ少量、手軽に入手したい時は、DHCのビタミンCカプセルのカプセルを開け、中の粉末のみ溶かす方法があります。

DHCのビタミンCカプセルの原材料は、ビタミンC、ゼラチン、着色料 (カラメル、酸化チタン)、ビタミンB2となっており、ゼラチンと着色料はカプセルの成分で、ビタミンB2も水溶性ビタミンですから、カプセルを外して使えば、他の添加物の影響は問題無いと考えられます。

同じDHCでも、持続型ビタミンCという錠剤型の商品は、脂溶性が高いステアリン酸Caや粘性の高いヒドロキシプロピルメチルセルロース (ヒプロメロース, HPMC) が添加されているので、使用しない方が無難です*2

なお、ビタミンC入りの飲料など液体にして売られているものは、効果がほとんどありませんので、粉末を買ってきて使用直前に溶かして使いましょう*3
pgary.hatenablog.com


↓物理的にこすったりしなくても、このとおりピカピカになります。

*1:タンニンと鉄を含み酸化されて紙に定着する万年筆用インクで、タンニン酸鉄インク、没食子酸鉄インク、没食子インク、iron gall ink等、色々な呼ばれ方をしているインク、と説明が長くなってしまうので、古典インクで通じるなら、そちらの方が楽です。

*2:他の錠剤でも、錠剤には、大抵、微量ではありますが、滑沢剤として、ステアリン酸Mgやステアリン酸Caが添加されています。

*3:液中で、酸化されているアスコルビン酸が多いためだと思われます。飲んだ後は体内で還元されます。