趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

古典BB1号改の調製と2号の失敗

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

 あとで読む

プロピレングリコール(PG)を処方に加えることをコンセプトに、古典ブルーブラック試作1号の改良処方を調製しました。前回、試しに後から加えてみたときのPG量だと、文字がチリやすい印象があったので、その時と比べて添加量を落としています。
古典BB試作1号を1日使ってみて分かったこと。
その代わりポリエチレングリコール(PEG)の量は増やしました。また、PGに防腐剤としての作用もあるので、パラベン類は入れませんでした。その他、ベースとなる硫酸第一鉄、タンニン酸、没食子酸の量は同じですが、色素(青色1号)の量を減らしました。
色素量を減らした結果、色調がはっきりとターコイズ系になりました。書いてすぐは、くっきりとしてわずかに緑が入った水色で、乾いてくると、ウォーターマン ブルーブラックの緑変した色を、少しだけ鮮やかにした感じになります。コクヨや極東のノートでは、インクのチリ、裏抜けなども無く、プレピーの蓋を開けて10分経過後では、書き始めにインクが出ないことがあるものの、そのままペンを走らせるとすぐに出るようになります。
この数日使ってみて、特段問題もなさそうなので、ウォーターマン クルトゥールにも注入してみました。クルトゥールはペン先が乾きやすいと言われていますので、これで大丈夫なら、他の万年筆でも大丈夫なんじゃないかという過酷テストのつもりです。

約3日半放置していたことになります。
予想通り、ペン先は見事に乾燥してしまいました。
ニブだけでなくペン芯も乾燥している様子で、全く書けません。

とにかくインクが乾きやすいこと。特に純正のブラックを使っていると、半日も経たない内にまともに書けなくなってしまう。

クルトゥールのペン先はMでフローも良いため、文字に濃淡がくっきりと出ます。蓋を開けての放置テストでは15分置いた後でもすぐにインクが出ました。プレピーだと10分でも書き始めで出ないことがありますから、太字でフローがよい分短時間の乾燥には強いのかもしれません。問題はペン先を上に向けて放置したときですね、近々そのテストもやってみる予定です。

一番下の文字には水をかけてありますが、古典らしく黒くなって文字が残っています。色調的には、古典ブルーブラックというより、古典ターコイズです。
今回は色素を入れる前まで調製した後、二つに分けて別々の色素で着色しました。一つが前述の青色1号で着色したもので、もう一つが青色2号で着色したものです。

右のチューブが青色2号で着色した古典BB試作2号ですが、見事にカスが出ています。チューブの上部に付いている粒々がカスです。「あえて言おう、カスであると!」。青色2号はwikipedia:インジゴカルミンという物質なのですが、構造を見たときに、駄目かもな〜〜という気はしていました。酸性だと溶け難くなりそうだし、キレート作りそうだし、青色2号のアルミニウムレーキは水に不溶なのですが、それと同じことが鉄で起こったんじゃないかと思います。
元々ブルーブラックになったのは、その当時のブルーの色素が、硫酸第一鉄とタンニン酸の系を阻害しなかったからだと、どこかで読んだことがあるのですが、キレートを作らない色素を選べばグリーンブラックとかレッドブラックとかイエローブラックなんかも出来そうです。グリーンブラックはレーシンググリーン、レッドブラックはボルドー、イエローブラックはセピアのような色にならないかな。
古典的ブルーブラックを作ってみた。