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博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

没食子酸鉄インキ原液の調製

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現在、自作インクのベースとしている原液はタンニン酸と没食子酸と硫酸第一鉄を使った所謂、タンニン類鉄インキなのだが、タンニン酸を抜いた没食子酸鉄インキを新しく調製してみた。必要な没食子酸の量は、以前検討した計算結果より、簡単に割り出すことができる。また、プロピレングリコールの代わりにジエチレングリコールを添加するように処方変更した。その結果、出来たものは下図のように、タンニン酸が入っているものと比較して、薄くブルーの色が着いているだけの透明度の高いものになった。この没食子酸鉄インキ原液で、ダイレクトブルー1を溶解し、古典ブルーブラックを調製し、セーラー プロフィット21に入れた。

いつも参考にしている、万年筆評価の部屋のインキと科學の記事によると、没食子酸と鉄を主成分とする没食子酸鉄インキは、色素の色合いを打ち消す欠点と、粘度が不足する不便があったらしいとのことである。粘度に関しては、シャバシャバ系で粘度は不足気味だと思うが、タンニン酸の入ったものとそんなに違う感じではない (以前作ったタンニン酸の入ったインクも同様にシャバシャバしていた)。色素の色合いを打ち消すという点では、書いた直後は色素の色がしっかり出ているのだが、その後の酸化が速く、見る見るうちに黒変していき、黒くなりかたも没食子酸のみの方がキツい感じがする。ちなみに、pHは1.5だった。

【3】没食子酸鉄インキ(Iron Gallic Acid Ink)
この方式は、没食子酸と鉄だけを主成分のする方式で、タンニン酸を用いない物を言う。もちろん精製没食子酸を用いる新方式で、インキの酸度を極度に弱くしても沈殿の心配が無く、萬年筆用としては甚だ有利な特長を有しているが、色素の色合いを打ち消す欠点と、粘度が不足する不便があったらしい。