趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

自作古典ブルーブラックの新色を探索する。

当ブログではアフィリエイト広告を利用しています

 あとで読む

現在配布中の自作古典ブルーブラックインクの調製に使用した原液は100mlしか仕込んでおらず、FiordとOuter spaceとCape Palliserを調色するだけで無くなってしまったので、新しく原液を仕込みました。今回は500ml仕込み、pHを微調整して前回より心持ち高めのpH2.0にしました。古典インクのモニターをしていただいているstoneさんより、もう少し薄めで濃淡のでるものをというリクエストがありましたので、それを念頭に置いて調製してみることにし、まずは色素量を落としてみたのですが、単純に色素量を落とすと、酸化してできる没食子酸鉄の黒に色素の色が負けてしまい、逆にべったりとした感じになってしまいます。そこで、元の色を鮮やかな色にしておいて、黒が入ってきて暗く落ちつく時の変化で濃淡を出すという方針に切りかえてみました。青系色素の中でも鮮やかな青の色、赤系の色、緑系の色と作ってみたものを画像で掲載します。色サンプルはかぶらペンの裏側でべったりと塗ってみたり、ガラスペンでジグザグに升目を塗りつぶして作ってみました。青と赤はもう少し工夫の余地がありそうです、特に赤は元々の色素の性質だと思いますが少しチリやすいような感じがします。緑は、かぶらペンで書いた感じだと、書いた直後はエメラルドグリーンですぐに黒が入って、色彩雫 新緑になるようなイメージです。これは元々茶軸のプラチナ ブライヤーに合わせるつもりで調色してみたので実際にブライヤーで使ってみることにします。

stoneさんには、有償でも分けて欲しいとまで言っていただき、インク作者冥利につきるというものですが、今のところ、このインクを売るということは考えていません。それは、フエンテを無料配布されている、でべそ会長や無償でペン調整されている森師匠をはじめとした調整師の方々へのリスペクトとして、これで商売はしたくないと思っているからです。だから個人で使用される分に関してはモニター終了後も配布させていただこうと思います。ただその際も、市販のインクの迷惑にならないように、5mlくらいまでの小容量での配布に限りたいと考えています。まあ、そんなに多くの方に使っていただけるわけではないでしょうから、先の心配をしすぎかとは思いますが、一応今はそのように考えています。
ちなみに、上で書いたように、自作古典BBインクは先に原液を調製し、後から色素を加えていますので、各色ともに基本部分は全く同じものです。だからセーラーのジェントルインク等と同様に、自作古典BBインクも各色を混ぜて調色することが可能です。