エルバンの公証人用インクは付けペン用のインクですが、タンニンを含むインクなので、古典ブルーブラックを研究している身としては試してみなくてはなるまいと、天神の丸善で購入しました。通販サイトなどの説明文を読んでみると、「ロッグウッドからとった特殊なタンニン」から作られると書いてあります。ロッグウッドとはどんな木なのだろう、そんな疑問を頭の隅に置いたまま、パイロットの「インキと科學」でも参考文献にされている最新化學工業大系を眺めていると、、、ログウード・インキというのが載っているではないですか、ログウード→ロッグウッドか!
この本の説明によると、
ログウード (Blauholz) はメキシコ、中央アメリカ等の大西洋岸に生育する高さ10〜15 mの喬木であり、其の木質に色素を含有する。
そして、その色素というのが、「ヘマトキシリン」、、、うへぇ〜、またまた椅子からずっこけました、HE染色でお馴染のヘマトキシリンか〜、まさかこんなところに聞きなれた単語が出てくるとは。ちなみに、HE染色というのは、ヘマトキシリン-エオシン染色と言いまして、組織切片なんかを染めて、顕微鏡観察するときなどによく使われる染色法です wikipedia:染色_(生物学)。
これまでの情報を元に、英語のwikipediaの方で検索してみたら、染色に使うことがしっかり書いてありました。しかもLogwoodの学名が、Haematoxylum campechianumとまさにそのままだというおまけ付き。
Logwood was used for a long time as a natural source of dye, and still remains an importance source of haematoxylin, which is used in histology for staining.