趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

趣味の文具箱 vol.46の感想

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dマガジンで読んで、Twitter上には感想や気づいた点など一度書きましたが、紙版が手に入りましたので、改めて感想をまとめたいと思います。
まず表紙から、プラチナセンチュリーの薫風が良い感じです。今回の軸の模様はデザイン性だけでなく持つ時の機能性もありそうに思います。子供のころ、持ち方を矯正するために、螺旋状の溝が入った鉛筆がありましたが、ちょうどそんな効果も期待できそうです。
特集の「万年筆使いの流儀」各社の取説にどのように書かれているのかを比較した記事は今までありそうで無かったと思います。各社ごとの考え方の違いも見えて大変参考になります。
43頁のモンブランのバーガンディレッドの件は、メーカーの公式見解なのでしょうがないのですが、鉄ガリウムが原因では無いことは確認しています。
pgary.hatenablog.com
「万年筆ユーザー、それぞれの流儀」の71頁に「電解水アスコルビン酸を使う洗浄の方法が載っています。どちらもメーカーが推奨する方法ではありませんから、ユーザーの個人的見解という形で載せざるをえないですね。編集部の苦労がしのばれます。
かなり市民権を得て来たと思われるアスコルビン酸による古典インクの洗浄方法ですが、そういう事情もあり、趣味文の誌面に載ることは稀です。
ちなみにアスコルビン酸が有効なのは古典インク (没食子インク) に対してです。
pgary.hatenablog.com
電解水は強アルカリ性なので、酸性のアスコルビン酸水溶液とはpHからして違います。
電解水が有効なのは、特に顔料インクに対してです。インクの性質によって洗浄方法を使い分けることが大切です。
pgary.hatenablog.com
137頁の吉宗さんの記事で、古くからある万年筆インクを「クラシックインク」と呼んでいるという用語の定義が紹介されています。記事の書き方から、おそらく吉宗さんは、プラチナ クラシックインクが販売される前から「クラシックインク」という言い方をされていて、今回敢えて紹介されたのではないかと想像します。
ただこの概念が提唱されたため、「クラシックインク」という時には、どのインクのことを言っているのか、はっきり言う必要があると思います。
ちなみに吉宗さんのブログを見てみたら、R&Kのインクについて、

クラシックな昔ながらのインクもラインナップされていますが、通常のインクは発色のはっきりした現代的なインクで、大変美しい色が多く、さすが老舗インク専業メーカーだと思っています。

と書かれていましたので、クラシックという言葉に没食子インク的な意味も込められているようです。
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