古典インクも光に当てていれば退色して来ますが、混ぜられた染料とタンニン酸や没食子酸の分解が原因と考えられ、鉄分は以前として筆記線に残っていると予想されます。だからタンニン酸や没食子酸を加えてやれば、筆記線も回復するはずです。
2013年11月15日から北向きの窓ガラスに貼っていたものです。北向きですから直射日光は当たっていませんが6年半くらい経っています。
プラチナ カーボンブラックやセーラー極黒のような顔料インクや顔料が入っていると予想されるヌードラーズのAircorp BlueBlackの筆記線は濃く残っていますが、染料のパイロット ブルーブラックはほぼ完全に消えていますし、古典ブルーブラックのペリカン、プラチナ、WAGNERインクも筆記線は読めますが、薄くなっています。
没食子酸水溶液を左端の一文字に、ギ酸をBlueBlackのBの文字辺りに塗ってみました。
ギ酸については、ブルーブラックのインクに蟻酸をかけると判読可能になるらしいという下記の書込みを読んで試してみました。
…たしか、ブルーブラックのインクは、退色しても蟻酸(ぎさん)をかけると判読可能になる、だから、昔(以前)の公文書や帳簿などの長期保管が要求される書類はそれを利用されているのだと聞いたことがありますけど?検証はとれてません。ご存知ですか?ご教示願えれば幸いです。
— 489*1 (@smj_1) 2019年6月13日
乾燥後比較してみて、没食子酸を塗った方は筆記線が濃くなっていますが、ギ酸の方は変わっていません。
あまり無いシチュエーションだとは思いますが、古典ブルーブラックで書いたものが光で退色して、「字が薄すぎて読めないっ!」となったらタンニン酸や没食子酸、無かったら濃いお茶でもかけてみたら読めるようになるんじゃないかと思います。