趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

R&Kのライニガー万年筆洗浄液のpHを調べてみた。

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大丸藤井セントラルのセールで購入した万年筆洗浄液 ローラー&クライナー (R&K)のライニガー (reiniger)です。説明書など入っていなくて、使い方の手掛かりはラベルに書かれた文字だけ、「fill 5min - rinse」と説明不足にも程があります(^^;
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瓶の中には洗浄液溜めがあります。昔のシェーファー Skripインクの様な構造ですが、Skripはガラスでインク溜めを作っていたのでコストがかかりそうですが、この構造なら安くできそうです。インク瓶にも採用されないかな。
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KINGDOM NOTEやPen and messageによる解説を読むと、洗浄液を吸入後5分程筆記して、水で濯ぐという使い方をするようです。

使ってみようにも、良い感じに詰まった万年筆が無いので、とりあえずpHだけ見てみました。
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pHは9ぐらいでしょうか、アルカリ性です。
R&Kは没食子インクのサリックスやスカビオサを出していますし、大丸藤井セントラルの商品ポップには、没食子インクにも効果有りと書かれていたのですが、没食子インク (古典インク) の主な固着成分であるタンニン酸鉄や没食子酸鉄は酸性条件で良く溶けますので、アルカリ性のライニガーで落とすのは効率が悪いです。
ライニガーはあくまで顔料インク用の洗浄液だと思っておいた方が良いと思います。
また、ライニガーの様な洗浄液を定期的に使うことを進める向きもありますが、せっかく調子の良い万年筆を洗浄すると、却って調子を悪くしてしまうことがあるので、この手の強力な洗浄液は調子が悪くなってから使うものだと思います。
ちなみに、Rohrer & Klingnerのインクで実際に顔料インクなのは、document inkなどのwaterproofと明記されている一部のインクで、他のインクは没食子インク以外、染料インクになります。
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