趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

なろう小説の「プニキとはじめるリーグ運営 ~野球ゲーム?作って運営します~」がすごい!

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小説家になろうで公開されている小説をあれこれ読んでいる読み専ですが、時々その小説の面白さに夢中になって読み耽り、その才能に、ただただ感嘆する作品にぶちあたることがあります。
プニキとはじめるリーグ運営 ~野球ゲーム?作って運営します~」は最近夢中になって一気読みしてしまった作品です。
https://ncode.syosetu.com/n4212eh/ (プニキ)
なろうのランキングに、「逆行転生したおじさん、性別も逆転したけどバーチャルYouTuberの親分をめざす!」が上がってきていて、この間サクッと本編が完結したのですが、これが面白かったので、同作者の作品、プニキ~も読み始めたら、これがまたすごく好みの作品でした。
https://ncode.syosetu.com/n3530fy/ (バーチャルYouTuber)
設定好きの浅草氏ではありませんが、世界観をがっつり作り込む作品が好きです。プニキ~は舞台は現在で、現実のニュースも作品の中に組込まれていますが、それが作者独自の世界観と絶妙にマッチして新しい世界を構築しています。
野球を実際にするのは下手、パワプロなど野球ゲームもそんなに上手くはない、育成系は結構好きかも、野球を見るのは好きだけど、熱狂的にファンの球団がある訳でもなく、選手も有名どころしか分からない、というフワッとした感じに野球が好きな主人公が、自分と同じようなフワッとした野球好きのための野球ゲームを開発します。私もこんな感じのフワッとした感じの野球ファンですので気持ちが良く分かります。
野球ゲームと言っても、選手を操作したり、育成したりということは出来ず、極論を言えば野球観戦をするだけのゲーム。選手は顔がけものの、けものフレンズ的 (よりケモノよりな) キャラで、それぞれ独自のAIを持ち学習しながら野球をしています。AIの目標は「野球を長く続けること」その目的に向けてAIは学習し、成長していくため、時には開発者が想定していない行動をとることもあります。
普通のゲームの様に、ボールの座標をシステムから受け取っておらず、AIそれぞれの視点とそれまでの経験からボールの位置を判断して動いているので、下手なAIは普通にエラーもしますし、審判も誤審をすることもあります。
ボールの挙動も一球一球、物理シミュレーションしており、風の影響もあるし、AIがピッチングを学習することで、徐々に球速が上がったり、変化球を覚えたりもします。作品中でも時節頭おかしいと言われるレベルのコストも時間もかかることをして、けもの野球リーグを実現しています。
ゲームを製作するだけではなく、ゲームサービスを提供するための会社設立、いかにマネタイズして利益を上げ、サーバー代など必要な費用を捻出し、AIによる野球ゲームを何十年も続けていけるような組織にするのかという、細かい設定を積み上げ、リアリティを感じる世界を見事に構築されています。
主人公を始めとして、プログラマ、サーバーエンジニア、キャラクターデザイナー、広報、ゲーム実況者、野球選手、AI球団のオーナー等々、周りを固める登場人物の一癖あるキャラクター造形も見事です。
また、作中に随時挿入される試合描写も、AIけもの野球選手それぞれに個性があって、AIならではのメークドラマもあって、試合の様子を想像するだけで、ワクワクするような内容になっています。
とにかく、ひさびさの大絶賛、手放しでお薦めの作品なので多くの方に読んでいただきたいです。
https://kids.yahoo.co.jp/games/sports/013.htmlkids.yahoo.co.jp
ちなみにプニキって知らなかったのですが「くまのプーさんホームランダービー!」というFLASHゲームのプーさんのことらしいです。こちらのゲームはFLASHの終焉に伴い、2020年12月で終了するそうなので、遊ぶなら今のうちですね。