趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

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実は間違っている文具三大蘊蓄

如何にも本当っぽくて、誰かに話したくなってしまう蘊蓄は、間違いだと分かっていても、再生産され、目にすることが多いような気がします。
このブログで前々から何度も書いているけれど、やっぱり今でも信じられてしまっているのが、古典インクと金ペンの話です。

古典インク (古典ブルーブラック) は金ペンでないと使えない。

ややこしいのは、昔は全くの間違いでもなかったこと、ただし「金ペンでないと使えない」ではなくて「鉄ペンを使うと腐食することがある」くらいの話です。
しかも、ここで言う鉄ペンとは、現在のステンレスペン先の万年筆ではなくて、漫画家が使うような、つけペンのペン先のことで、これは鉄に鍍金したものですから、古典インクを使って放っておけば錆びます。
ただ古典インクに付けたら、すぐに溶けたり錆びたりするわけではないので、つけペンの鉄ペンと古典インクの組合せは長く使われていました。
パイロット発行の「インキと科學」には、つけペンペン軸から鉄ペン先がインクに落ちた時を想定した、鐡ペン浸蝕試験について、詳細に記されており、それだけ鉄ペンが使われていたことが分かります。
pgary.hatenablog.com
pgary.hatenablog.com
また、万年筆で鉄ペンというと、通常ステンレスペン先のことになりますが、これに関しては、戦前には既に、古典インクに耐えるものが開発され、使用されています。

NASAは、10年の歳月と120億ドルの開発費をかけて宇宙で使えるボールペンを開発した、一方、ソ連は鉛筆を使った。

この話も如何にもありそうで、教訓じみた話でもありますので、よく聞きますが、加圧式ボールペンは、フィッシャースペースペンのフィッシャーさんが開発して、NASAに売り込んだもので、開発費も時間もそんなにはかかっていないし、黒鉛の粉が問題になるので、ソ連が使った鉛筆も、鉛筆というよりダーマトグラフのようなものだったそうです。
pgary.hatenablog.com
しかも、普通のボールペンが宇宙では使えないという話は、ボールペンを上向きにして使うと書けなくなることから、それっぽく感じられますが、実は無重力でも、普通のボールペンで字が書けるのだそうです。

ボールと逆向きに重力がかかっているのと、無重力との違いなんでしょうね。

QWERTYキーボードは、タイプライターの印字アームが絡まらないよう、タイプが遅くなるようにした配列。

この話だけで本にもなっていますし、何度も話題になっては、否定されていますので、さすがにあまり見なくなりましたが、それでもたま〜に見かけます。
「キーボード配列QWERTYの謎」に、とにかく詳細に、タイプライターの歴史を踏まえて書かれています。
上記表題の説は、まったくかすりもしていないガセネタです。

キーボード配列QWERTYの謎

キーボード配列QWERTYの謎

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