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博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

古典インク(没食子インク)を入れた万年筆を洗浄するのに使うアスコルビン酸は普通のものが良いです。

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古典インク*1 (没食子インク)を入れた万年筆を洗浄するのに、アスコルビン酸 (ビタミンC) を推奨しています。

古典インクによる汚れは、酸化された鉄とタンニンのキレート化合物なので、再度、水に溶かすには、

  1. 鉄を還元する。
  2. 酸性にしてキレートを作り難くする。
  3. キレート能のあるもので、キレート化合物ができるのを邪魔する。

などの方法が有効ですが、還元性+酸性+キレート能があり、安全性が高く、入手しやすい物質として、アスコルビン酸は現状ベストだと思います。
アスコルビン酸 - Wikipedia

食品添加物グレードのアスコルビン酸を袋で購入すると、そのまま飲んだり、料理にも使えるのでコスパが高いです。

アスコルビン酸は水溶性のビタミンです。

最近は、アスコルビン酸の吸収性を向上させる目的で、アスコルビン酸をリポソームという脂質二重膜で出来たマイクロカプセルの中に入れたり (リポソーム化ビタミンC)、アスコルビン酸脂肪酸を付けて脂溶性にしたパルミチン酸アスコルビル (ステアリン酸アスコルビル、オレイン酸アスコルビル) 等も売られていますが、これらがペン先やペン芯に付着すると、 水をはじき、万年筆のフローを悪化させることに繋がりますので、使用しないでください
リポソーム - Wikipedia
パルミチン酸アスコルビル - Wikipedia

万年筆の洗浄に使う分だけ少量、手軽に入手したい時は、DHCのビタミンCカプセルのカプセルを開け、中の粉末のみ溶かす方法があります。

DHCのビタミンCカプセルの原材料は、ビタミンC、ゼラチン、着色料 (カラメル、酸化チタン)、ビタミンB2となっており、ゼラチンと着色料はカプセルの成分で、ビタミンB2も水溶性ビタミンですから、カプセルを外して使えば、他の添加物の影響は問題無いと考えられます。

同じDHCでも、持続型ビタミンCという錠剤型の商品は、脂溶性が高いステアリン酸Caや粘性の高いヒドロキシプロピルメチルセルロース (ヒプロメロース, HPMC) が添加されているので、使用しない方が無難です*2

なお、ビタミンC入りの飲料など液体にして売られているものは、効果がほとんどありませんので、粉末を買ってきて使用直前に溶かして使いましょう*3
pgary.hatenablog.com


↓物理的にこすったりしなくても、このとおりピカピカになります。

*1:タンニンと鉄を含み酸化されて紙に定着する万年筆用インクで、タンニン酸鉄インク、没食子酸鉄インク、没食子インク、iron gall ink等、色々な呼ばれ方をしているインク、と説明が長くなってしまうので、古典インクで通じるなら、そちらの方が楽です。

*2:他の錠剤でも、錠剤には、大抵、微量ではありますが、滑沢剤として、ステアリン酸Mgやステアリン酸Caが添加されています。

*3:液中で、酸化されているアスコルビン酸が多いためだと思われます。飲んだ後は体内で還元されます。