趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

万年筆用古典インク (iron gall ink, 没食子インク, タンニン鉄インク) の実験結果と評価 ~文献を調査し、自ら実験してきた記録~

この記事はトップに表示されるように設定しているので、最新の記事は下にスクロールした2番目の記事になります。

鉄を含む万年筆用インクである古典ブルーブラックインク(古典インク, 没食子インク, タンニン鉄インク, iron gall ink)について、文献にあたり、様々な実験をして記事を書いているのですが、たくさんあって自分でも何を書いたか分からなくなることがあるので、ブログのトップにまとめを表示します。秘伝のタレのように継ぎ足しながら書いているため長いです。

これまでの経緯は下記の一連の投稿 (古典ブルーブラックと万年筆と私 または私は如何にして心配するのを止めて古典インクを愛するようになったか - 趣味と物欲) からどうぞ、頑張って書きました^^)ノ
pgary.hatenablog.com

どのインクが、古典インク (iron gall ink, 没食子インク, タンニン鉄インク) なのか調べ続けているわけは以下の記事に書いています。
pgary.hatenablog.com

古典インクは、ある程度の耐水性・耐光性があり、比較的裏抜けや滲み難く、書いた後の色の変化が楽しめ、昔ながらのインキ消しで消すこともできる上、ペン先が汚れたらアスコルビン酸できれいに落とすことができるインクです。耐水性・耐光性では顔料インクに一歩譲りますが、インクの性能云々というより使って楽しいインクだと思います。

www.youtube.com
色素が入っていない没食子酸インクの色変化

個人的には古典インクが好きで良く使っていますが、このブログでは以前から、インクの好みは千差万別、好みが9割と主張しています。
pgary.hatenablog.com

更に詳しい情報は、下記の「続きを読む」を押してみてください

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パイロットのシャープペンシル S3の0.4mmを購入しました

パイロットのシャープペンシル S3の0.3mmと0.4mmが専用の什器を使って売っていたので、持っていないS3の芯径だった0.4mmを購入しました。

2024年2月27日に、0.3mmと0.4mmの新色を発売したということです。
www.pilot.co.jp

DICデジタルカラーガイドは万年筆インクの調色に便利なアプリ

プラチナのミクサブルインクやクラシックインク マイカラーなどを使って、万年筆インクの調色をする人は、「DICデジタルカラーガイド」というアプリが便利です。
www.dic-graphics.co.jp
iPhoneiPadで使えて、App Storeで「カラーガイド」で検索すると出てきます。

開くとこんな画面になり、大量の色見本の中から色を選択できます。サブスクリプションという項目もありますが、無料分だけでも万年筆インクの調色の参考に使うには十分です。

例えば日本の伝統色を選ぶと、色見本がずらっと並ぶので、一つ選んでみます。

DIC-N847という色を選ぶと、この色は「常盤緑」という色で、その由来も詳しく教えてくれます。
次に円柱型のアイコンを選ぶと、紙の種類や加工パターンを選んで円柱形の色見本を動かしながら眺めることができます。

更にインキ配合情報を開くと、どのインキを混ぜれば、この色を作れるのか分かります。
DICの印刷用インキの情報なので、このまま使えるわけではありませんが、調色をする時の目安とするには有益な情報です。

薔薇色だと、こんな感じの配合

私が以前、古典インクのピンク色を調色してみたときは、薔薇色の情報を元に、シトラスブラックとカシスブラックを混ぜて作りました。
pgary.hatenablog.com

ミクサブルインク | プラチナ万年筆

ペン先のタフさで比較する採点に適したサインペン選び

黙々と採点するのに、赤インクの万年筆やボールペンも試してきましたが、最近は専らサインペンを使っています。マイブームが一周した感じです。
サインペンも色々と試してみましたが、最近は「プラチナ ソフトペン*1」、「パイロット スペア式サインペン*2」、そしてド定番の「ぺんてる サインペン*3」を取っ替え引っ替えしながら採点しています。

プラチナ ソフトペンのペン先は硬くて、パイロットやぺんてるのサインペンの方が柔らかく書き心地は良いのですが、ゴリゴリと採点しているとペン先が変形 (擦り切れ?) て来ます。
下の画像で、左からぺんてるパイロットは、ペン先が短くなって書き辛くなってきているのですが、右のプラチナのソフトペンのペン先は硬くてタフです。

ソフトペン用の替えペン先 (替チップ) も買ってはあるのですが、まだ一度も交換したことはありません。また、ソフトペンには、専用のマーキングペン専用カートリッジがありますが、こちらも一応買ったものの使っていません。

マーキングペン専用カートリッジ (SPM-200) は4本入りで220円(税込)なのに対し、万年筆用カートリッジインクは10本入りで440円(税込)なので、万年筆用カートリッジインクの赤を使っています。
カートリッジの外から見ても分かるとおり、マーキングペン専用カートリッジのインクの方が濃い色ですが、採点に使うだけなら万年筆用カートリッジの色でも問題なく使えます。

Xでルークさんからのご教示を受けて、ペン先の素材について追記します。

  • プラチナ ソフトペンのページ*4には、「滑りが良く耐久性の高いナイロン製チップを採用」と書かれていて、仕様にも「ナイロン芯チップ」とありました。
  • パイロット スペア式サインペンの公式のページ*5には、ペン先の素材は書かれていないのですが、いくつかの通販サイトでチップ(ペン先)はポリエステルと書かれていました。
  • ぺんてる サインペンは、サインペンの開発ストーリー漫画*6の中に、「樹脂を使ってアクリル繊維を熱で固め」と書かれていました。

三社三様、それぞれ素材が異なるという驚きの結果でした。

pgary.hatenablog.com
pgary.hatenablog.com