趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

万年筆インクの宿題:バーガンディレッドはモンブランの言う通り古典インクかもしれない → 古典インクでは無いことを確認しました。

【追記】バーガンディレッドが古典インクではないことを確認しました。
pgary.hatenablog.com

万年筆のインクについて、色々と謎のまま放置していた宿題があるのですが、それを検討するべく新しくインクを購入しました。購入したのは下の画像の右側の3本、KWZ Archive Blue Black、MONTBLANC Burgundy Red、Aurora Blue Blackです。

まずは、モンブランのバーガンディレッドの謎から、去年の夏頃、バーガンディレッドには鉄ガリウムが含まれ、StarWalker Midnight Black万年筆のルテニウムコーティングを変色させる恐れがあるとアナウンスされたのです。

その時はまさかと思い、下記の様な記事を書きました。バーガンディレッドは、元々ボルドーと言われていた染料インク、モンブランボルドーは趣味の文具箱 Vol.11ではpH5.34と書かれており、古典インク (iron-gall ink) のpHではありません。
pgary.hatenablog.com

いつもの様に二価鉄試験紙を用いれば、すぐに判別は付くだろうと高を括っていたのですが、1/10に希釈して試験しても赤の色素の色が強くて、はっきり判定できません。
下の画像は、それぞれ1/10に希釈したインクを上段は二価鉄試験紙、下段は普通の濾紙で展開したものです。インクは左からプラチナ ブルーブラック (PL)、ペリカン ブルーブラック (PE)、ダイアミン レジストラーズインク (DIA)、KWZ IG アーカイブ ブルーブラック (KWZ)、モンブラン バーガンディレッド (M BR)、アウロラ ブルーブラック (Au)です。
二価鉄試験紙は、二価鉄が存在すると赤く変色しますので、上段で古典インクのPL、PE、DIA、KWZは展開した溶媒先端付近が赤くなり、古典インクではないAuは赤くなっていません。しかし、M BRは色素の赤がかぶるため判定できないのです。

それではと、普通のペーパークロマトグラフィでも展開してみました。右側がモンブラン バーガンディレッド、左はプラチナ ブルーブラックです。固定相は濾紙、移動相は70% エタノールを使用しました。
モンブラン バーガンディレッドのペーパークロマトグラフは、趣味の文具箱 Vol. 44 p58にも掲載されていますが、そちらは移動相が水なので少し形が異なっています。
プラチナ ブルーブラックでは、タンニン酸鉄 (あるいは没食子酸鉄) の黒色成分が原点に残り、青の色素が上に移動しています。モンブラン バーガンディレッドも原点が黒く、赤の色素が上に移動しており、良く似た感じになっていますが、紙との親和性が高い黒の色素や黒の顔料である可能性もあり、古典と確定はできません。

モンブラン バーガンディレッドと古典インクのプラチナ カシスブラックでロディアに文字を書き、更にその紙を流水で十分に洗浄してみました。

モンブラン バーガンディレッドの洗浄されずに残った色はタンニン酸鉄 (あるいは没食子酸鉄) の色に良く似ているように感じられます。

色々と試験してみましたが、モンブラン バーガンディレッドが古典インクではないことを示すようなデータは無く、古典インクだと考えた方が納得できるデータばかりが得られました。更に調べて確証を得るには、鉄やタンニン酸 (没食子酸) を分析し、成分を明らかにする必要がありそうですが、そこまでしなくても、モンブランがiron-gall inkだと言っているのだから、もう本当に古典インクなのかなと思いました。
ただ後は、古典のブルーブラックを古典のミッドナイトブルー、更に染料のミッドナイトブルーへと変更したモンブランが、染料のボルドーを古典のバーガンディレッドに変更するというのが、戦略的に納得がいかないだけです。
案外、古典ブルーブラックを染料に変更させられたインク開発者の逆襲だったりするのかもしれません。

【追記】バーガンディレッドが古典インクではないことを確認しました。
pgary.hatenablog.com


唐人ベーカリーのチーズポフを軽くトーストしていただく。

唐人ベーカリーのチーズポフ、キューブ状のチーズがゴロゴロ入っていて、腹持ちがするので昼御飯にちょくちょく食べています。
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食べそこねたので家に持って帰ったら、「トーストして半分だけ食べるつもりだったら1個食べてしまった~」と奥さんが焦っていた。
いつも職場ではそのまま齧るだけだったので、チーズポフ歴?年にして初めてトーストして食べてみました。表面がパリパリするまで、2分くらい軽くトースト。
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二つに割るとハイごろり、チーズがタップリ入っています。原材料見るとナチュラルチーズとプロセスチーズが使われているそうです。
トーストすると確かに美味しさが増します。表面がパリパリ、チーズがモチモチしてぺろっと1個食べてしまいました。1個150円お薦めです。
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「きまじめ姫と文房具王子.」が面白かったので持っている文房具漫画を読み直しました。

話題の文房具漫画、「きまじめ姫と文房具王子」の1巻が出ました。漫画は単行本になってまとめ読みするので初めて読みます。
これがとても身につまされて(汗)面白かったので、持っている文房具漫画を読み直しました。
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「きまじめ姫と文房具王子」の主人公は、大学に講師として赴任してきた姫路先生で、相部屋になった蜂屋先生が文房具マニアなので、文房具話に巻き込まれます。
文房具蘊蓄に溢れていて、それが的確で濃くて、実在する文房具がたくさん出て来ますが、決してそれだけの漫画では無く、根底にはしっかりとしたストーリーが流れています。
出てくる文房具は最新のものから、ヴィンテージ・懐し文具まで色々で、解説の中に正直知らなかった~ということも多々ありました。
また、それ以上に文房具マニアの蜂屋先生と文具研究会の面々の行動が、すごくそれっぽくて良いです^^;

きまじめ姫と文房具王子 第1集 (ビッグコミックス)

きまじめ姫と文房具王子 第1集 (ビッグコミックス)

「文野さんの文具な日常」の主人公は塩対応で無表情なOL文野さんです。しかし隣の席の牧田主任が見ていると、文具で嬉しそうに遊んでいることがあります。
出てくる文房具は懐し文具が多いです。ロケット鉛筆、スーパーカー消しゴム、かみつきばあちゃん消しゴム、多機能筆箱などなど。
どちらかと言うと主役は文房具よりで、文房具絡みのコメディ風味です。懐し文具の蘊蓄はかなり濃いです。「ぶんぐりころころ」の主人公は文具店を営むJK柿心地(かきごこち)さん、テーマパーク建設のためにお店の立ち退きを要求されています。
立ち退き同意書のサインを取るために、先端(さきばし)さんが来るのですが、毎度文房具を使った頓知?で追い返されます。
出てくるのは実在の新し目の文具が多く、フリクション、ハリナックス、MONO全種類コンプなど、話はコメディ要素が強いです。「夕焼けロケットエンピツ」の主人公は小さな文具店のJS丸太町さん、ネトゲばかりで働かないお父さんを抱え、出て行ったお母さんが戻ってくるのを待っています。
出てくる文具は実在のものを元にした架空のもので、文具の話よりストーリー重視です。全体を通して切ない空気が流れていて、特に、貴重な万年筆を盗られてしまう話では鳩尾がキューとなりました。
3巻でほのぼのと完結しています。
ちなみに、タイトルのロケットエンピツは、お母さんとの思い出の品で大事なアイテムとしてストーリーに絡んでくるのですが、1巻の後書きで作者自ら暴露されているように、さしかえ色鉛筆をロケットペンシルと勘違いしてた~ってことらしいです。
「夕焼けさしかえ色鉛筆」だとタイトルとしてどうかな?と思うので結果として勘違いしていて良かったのかも。