浪費家の私に比べて、うちの奥さんは倹約家である。万年筆にはまった私に付き合って、プラチナのPKR-2000-G (id:pgary:20080929/p2) を使うようになったが、もう少し良いペンが欲しくなったんじゃない?と話を振ってみても、いやこれでいい、これが気にいった、とにべもない。そんな奥さんがインクには興味をもってくれて、特に色彩雫の冬将軍が気にいったらしく、今のインク(プラチナBB)が無くなったら、冬将軍にする、と珍しいことを言いだした。こんなチャンスを逃す手は無いので、早速丸善で冬将軍を購入したのが先週のこと (id:pgary:20081109/p2) 今週ついにプラチナBBが切れたので、ペンとカートリッジを洗い、カートリッジに冬将軍を詰めて、PKR-2000に装着した。
しかし、どうも文字が薄いらしい、冬将軍はグレー系の薄い色の上、PKR-2000は細字で、インクフローが少なめのプラチナ製であるので薄いのだろう。良い機会だから、冬将軍に合う万年筆を新調しては、とまた浪費に繋がる提案をすると、奥さんが唐突に他のインクを混ぜたらどうかなあ、と言いだした。私もまだインクブレンドは試したことはないのに、いきなりそういう発想をしますか!、と驚いたが、まあものは試しと混ぜてみることにした。うまいことに、色彩雫の松露がある、これなら混ぜても大丈夫だろう、ということで冬将軍にほんのちょっとだけ松露を混ぜたのが下の色である。名付けて冬松露、大部見易くなったとのことである。
確かに雪が降り出す直前の、青暗い、厚い雲の中心部の色に似ている。青に寄ったグレーだが、ブルーブラックが10年経って褪色し始めたような色合いなんじゃないのかなあ。
「冬将軍」は、それだけ眺めると普通のグレー。
でも、隣に置いてあった「霧雨」と比べるとやんわりと青味がかっていて、
品のある色なのです。いわゆる薄墨とはひと味違うというか。
冬の厳しさを表現した「冬将軍」というタイトルのブルーグレー色インクは、正に冬の「凛とした静寂」のようで、冷たい霜柱の印象を受けました。