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博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

万年筆用フリクションインキの実現には、マイクロカプセルの小型化が鍵になる。

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デスク周りをちょっと探しただけでも、これだけパイロットのフリクション製品が出てきました。ボールペンから始まって、サインペンや蛍光マーカー、ついに色鉛筆まで発売されました。こうなると次は、万年筆用フリクションインキの発売に期待したくなります。

以前、こんなことも出来るよというお遊びで、フリクションのインクを万年筆に入れて書いてみる動画をアップしたことがあるのですが、時々あのインクはどうなったのか聞かれることがあります。

フリクションインクを集めるには、中綿にインキを含ませた構造の蛍光ペンやサインペンから絞り出すのが簡単です。

1本から0.5mLくらい絞り出せました。ただ、このインクはかなり粘性が高く、このままでは万年筆に詰めてもインクがうまく流れず書けません。

精製水を加えて3倍くらいに薄めたものを、プレピーに詰めて書いてみました。あまりフローはよくありませんが、一応書けます。

擦るとちゃんと消えますから、フリクションインキのマイクロカプセルは壊れず、機能しているようです。

しかし数日置いておくと、コンバーターの中で分離してしまっています。
パイロットのフリクション開発者の方のインタビューによると、フリクションインキのマイクロカプセルは2〜3ミクロン(μm)の大きさだそうです。かなり丈夫なマイクロカプセルなため、鉛筆にすることも可能ですが、大きな粒子なので、液中で均一に分散した状態を保つには、ある程度の粘度が必要になります。
ちなみに、万年筆用顔料インクはナノインクと言われるように、その大きさが数百nmですので(プラチナカーボンや極黒の粒子径青墨の粒子径)、フリクションのマイクロカプセルは、まだ数十倍大きいということになります。
パイロットではフリクションインキのマイクロカプセルを更に小型化することに取り組まれているようですから、万年筆用インキが開発されるとしたら、マイクロカプセルの小型化(ナノカプセル化)が成功してから、ということになりそうです。

フリクションインキのマイクロカプセル粒子は2〜3ミクロンまで小型化することができましたが、写真印刷などに使われているインクジェットインキは0.1ミクロン程度なのです。マイクロカプセルの粒子が細かいほど、鮮明で詳細な画像を印刷できます。私たちも将来はフリクションインキをさらに進化させるつもりです。

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