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博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

万年筆で宛名を書くなら顔料インクの中でも耐水性の高いものを選んだ方がいい。

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万年筆にはまり始めた頃に、年賀状の宛名を万年筆で手書きするため、万年筆インクの耐水性を試したことがありました。
その時比較したのは、プラチナ カーボンインク、プラチナ ピグメントブルー、セーラー 極黒、セーラー 青墨の顔料インク4種と染料のパイロット ブルーブラックで、顔料インクだけれど極黒は水で結構流れてしまうので、この年は青墨を使用しました。
pgary.hatenablog.com

耐水性があるからということで、はがきや手紙の宛名を万年筆で書くのに、顔料インクや古典インク(没食子インク)をおすすめしているのを見ることがありますが、濡れても読めれば良いノートや手帳など自分用の記録と異なり、宛名書きでは他の郵便物への影響を考慮する必要があります。
そこで一般に耐水性が高いと言われている万年筆インクを試してみることにしました。

顔料インクから5種類、プラチナ カーボンブラック、セーラー 極黒、パイロット 強色 黒、モンブラン パーマネントブラック、セーラー 蒼墨、古典インク(没食子インク)から6種類、アッカーマン ブルーブラック、KWZ IG BB、ローラ&クライナー サリックス、ダイアミン レジストラーズインク、ペリカン 4001 ブルーブラック、プラチナ ブルーブラック、そして染料インキパイロット ブルーブラックです。
使用したはがきは、ダイソーのマット紙 インクジェットプリンタ用紙のはがき 50枚入りです。ガラスペンで筆記して24時間室温に放置しました。

携帯用のスプレーで水道水を全体に噴霧しました。吸水すると、はがきが反ってきます。
顔料インクでも極黒とモンブラン パーマネントブラックは、かなり流れています。また古典インク(没食子インク)は程度の差こそあれ、添加されている染料が流れています。

はがきをペーパータオルで押さえて水気を取りました。画像左側のペーパータオルを見れば、どれくらい他の郵便物が汚れるか予想できます。

顔料インクだと、プラチナ カーボンブラック、パイロット 強色 黒、セーラー 蒼墨の3つは全く流れておらず、他の郵便物を汚すことも無いので宛名書きに使用して問題無いと考えられます。
古典インク(没食子インク) だと、アッカーマン ブルーブラックとダイアミン レジストラーズインクが流れにくいですが、他の郵便物を汚す可能性がゼロではありません。
特にダイアミン レジストラーズインクは、かなり酸化が進んでおり、染料の青がほとんど見えなくなっていたので、流れないことを期待していたのですが、ペーパータオルの方を見ると薄らと黄色に汚れていました。
染料のパイロット ブルーブラックは検討していますが、やはり他の郵便物を汚す可能性がゼロではありません。

万年筆を宛名書きに使うなら、他の方に迷惑をかけないためには、顔料インクでも耐水性の高いものを選ぶ必要があります。
万年筆にこだわらないなら、素直に油性ボールペンまたは水性顔料ボールペン顔料のサインペンを使う方がよいと思います。