趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

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I can make an iron gall ink a little

万年筆のインクの耐水性を自分でも試してみる。

万年筆を使っている、プラチナのPreppyという200円くらいの安い万年筆を使ってみたら思いの外楽しかったので(id:pgary:20070723#p1)それから書きものにはほとんどPreppyを使っていた。悪筆の部類なので、ボールペンで筆記をしていると書いたそばから自分の字を見るのが憂鬱で、極力手書きを避けていたのだが、万年筆にしてから紙に字を書くことが多くなった、万年筆で字を書くのは気持いいのだ。そういえばこの間、青空文庫を見ていたら夏目漱石の余と万年筆というエッセー(http://www.aozora.gr.jp/cards/000148/card2675.html)があって、大正の頃は万年筆は高価もので、ペンと言えば付けペンが主流だったことが書かれていた、普通の万年筆で十円くらいしたようだが、今で言うと十万円くらいになるのだろうか? それくらい高価な万年筆を収集する道楽もあると、漱石はそんな人に少々呆れているようだが、今で言えばPDAの収集にあたる趣味のようで他人事とは思われない^^;
Preppyは気に入っていたのだが、もう少し高級な万年筆も使ってみたいものだと思っていたところ、ちょうどあることの記念に何か買ってやろうという話が持ちあがったので、これ幸いと万年筆をリクエストした。記念品にいただいたものの素性を確かめるのも無粋だが、ウェブで検索したところ、セーラー万年筆のおそらくプロフィット21 マットブラックのようだった(http://www.sailor.co.jp/BUNGU/profit_21_m-black/index.html)、ありがたいことである。
[rakuten:pen-king:715554:detail]
このペンで書いてみて驚いた、Preppyはガリガリと紙を引っ掛くような感触でこれが万年筆の書きごこちなのだと思っていたら、プロフィット21はスルスルとインクが出るのである、Preppyがインクを紙に擦りつけるイメージなら、プロフィットの方はインクを紙に乗せるようなイメージで書ける。最初は感覚の違いから気持ち悪かったくらいだが慣れてくると癖になりそうな書きごこちである、ただしPreppyよりインクの量は多めなので、インクを擦らないように注意は必要になる。また、Preppyでガリガリと書くと、削りとられた紙の繊維がペン先に挟まってしまうことがあり、筆記しながら時々ペン先を拭く必要があったのだが、プロフィットは紙を痛めず、ペン先に繊維が挟まることもない。
こうしてますます万年筆への依存度が高くなったのだが、今更ながら書いたものの耐久性が気になった、特に仕事の書きものには、耐水性、耐光性、経年変化性などが気になるところである。

ロディアに書いてみた。パイロットのインクが耐水性が高いという話を読んで、パイロットの万年筆も加えてある。全て万年筆用のインクカートリッジのもので、セーラーはジェントルインクのブルーブラック、パイロットもプラチナもブルーブラックである、比較のために、ゼブラのボールペンの黒(SK-0.7)も並べている。

書いた直後、紙の表面に水を流してみますと、筆跡が水に流れにくいのです。
また、インキ消しでも消えない。
とても高性能なインキだと実感しました。


書いた後すぐに水をかけたところ、水道水のシャワーを10秒程度かけて紙には完全に水が染みこんだ状態になっている。セーラーが一番にじむ、パイロットは評判どおりにじみが少ない、プラチナもにじみが少ない。そしてやっぱりボールペンは一番強い^^;

上記の試験した紙を3日間放置して乾燥させ、もう一度水道水のシャワーをかけた、今回は更に筆記したところを指で擦り、しつこく30秒程度水洗した。セーラーはにじんだところが洗い流されてかえって文字が読みやすくなった。パイロットは青々としている。プラチナは色の風味が随分変化して黒っぽい。やはりボールペンは強い。
ブルーブラックのインクは強いと言われるが、それは元々のブルーブラック*1が、硫酸第一鉄が酸化されて硫酸第二鉄になることを利用しているためで、硫酸第一鉄が無色なので、書くときの目安としてブルーの染料を混ぜているそうだ。だからブルーブラックという独特な色になり、ブルーブラックで書くと経年変化して色が徐々に黒っぽくなるのは、硫酸第二鉄が更にタンニン酸と反応し黒色になるためなのだそうである。セーラーが最初にじんで、2回目に水を流すとにじんだところのみ消えたのは、にじんだのがブルーの染料の方だったためだろう。*2
実際に万年筆のインクの耐水性を試験してみて、水を流したくらいなら読解可能な程度の耐水性はあることが分かった。これ以上の耐水性を求めるのならボールペンで書いたほうが良いのだろうと思う^^; また、セーラーには極黒(きわぐろ)という超微粒子顔料インク(ナノインク)があり、耐水性、速乾性に優れ、にじみや裏うつりがなく、耐光性にも優れ色褪せないので公文書に使用可能という歌い文句なので一度試してみようと思う。
[rakuten:pen-king:715698:detail]

*1:なぜ元々のと断っているかというと、最近のブルーブラックインクは硫酸第一鉄を利用していないものも多いと聞くからである。硫酸第一鉄を含むものを古典的ブルーブラックと言うこともあるそうだ。

*2:と思っていたのだがセーラーのは古典的ブルーブラックではないらしい。

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