趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

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万年筆用古典インクについて、文献を調査し、自ら実験してきた記録の主要な記事まとめ 本ブログのメイン記事
古典ブルーブラックと万年筆と私 または私は如何にして心配するのを止めて古典インクを愛するようになったか no+e版
万年筆適当主義 (鉄ペンに古典インク入れちゃうし、定期的な手入れもしてないよ。) 肩肘張らず、もっとカジュアルに万年筆を使おう。
ペリカンブルーブラックが古典ブルーブラックのままか定期調査 Lot. 20F (2021年3月) 古典インクのままです。
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ヌルリフィルに万年筆で書いた文字を次亜塩素酸ナトリウムで消去してみる。

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ヌルリフィルは、pen_saloonさん*1が開発された、ユポ紙*2という合成紙を使ったリフィルです。万年筆のすべりがよくて、ヌルヌルと気持ちよく書けるのが特徴です。
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まず色々な種類のインクでヌルリフィルに書いてみました。上から、顔料インクのセーラー 蒼墨、染料インクですが耐水性が高いことで有名なパイロット ブルーブラック、古典インクのプラチナ ブルーブラック、染料インクでヌルリフィルで遊色することが有名なセーラー 123、セーラー石丸さん調製のBUNGU BOX 初恋インクです。
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ヌルリフィルは合成紙で水に強いので、文字を洗って再利用できないか試している方がいらっしゃいます。私もまずは水だけで洗ってみましたが、どのインクも結構頑張って残っています。プラチナの染料分、セーラー 123と初恋は結構流れましたが、まだ十分判読できます。
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そこで次亜塩素酸ナトリウムで処理してみました。今回用いたのは、ミツエイ株式会社のブリーチという衣料用漂白剤で、成分は次亜塩素酸ナトリウム水酸化ナトリウムのみです。
次亜塩素酸ナトリウムの商品では、花王のハイターが有名ですが、衣料用のハイターの成分は、次亜塩素酸ナトリウム水酸化ナトリウムのみなのに対して、台所用のキッチンハイターには、それ以外に界面活性剤(アルキルエーテル硫酸エステルナトリウム)が含まれているので注意が必要です。
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ブリーチは説明書きのとおり100倍希釈し、15分間ヌルリフィルを浸漬しました。
漂白剤ですから、染料インクは消えるだろうと予測していたのですが、それよりも古典インクのプラチナ ブルーブラックの方がよく消えたのは意外でした。顔料インクの蒼墨は勿論、びくともしていません。
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ブリーチの液性はアルカリ性で、古典インクの耐水性成分であるタンニン酸鉄や没食子酸鉄が溶けやすい酸性とは逆のpHです。
プラチナ ブルーブラックが消えた跡に、没食子酸水溶液を綿棒で塗ってみると、筆跡が浮かびあがってきたので、鉄分は残っているようです。次亜塩素酸ナトリウムでタンニン酸が分解して色が消えたのかもしれません。
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もう一度文字を書けるか、プラチナBBと123で書いてみたら普通に書けました。ヌルリフィルの表面も変化している様子はありません。
今回試したインクの中ではプラチナ ブルーブラックがヌルリフィルとの組み合わせで、ヌルリフィルの再利用に適しているようです。