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古典ブルーブラックインクの汚れの方は結局何で落ちるのか。

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前回は、プラチナ ブルーブラック(古典)とプラチナカーボンブラック(顔料)を混ぜて作ったドロドロを放置してカチカチに固めたものが何で落ちるのか検証しました。古典の成分はアスコルビン酸で、カーボンの成分はアルカリ電解水で落ちるだろうと予想して実験したのですが、予想に反して、アルカリ電解水だけで落ちてしまいました。

上記試験で2番や3番がきれいに落ちなかったら、4〜6番に、今度は「水道水」、「水の激落ちくん」、「0.1N 水酸化ナトリウム水溶液」を入れて、アスコルビン酸の有効性を検証しようと思っていたのですが、必要ありませんでしたね(^^;

じゃあ、古典ブルーブラックの汚れを落とすのに、アスコルビン酸は要らないのか?ということで今回の実験です。
パレットの中に、上の段からプラチナBB、ペリカンBB、ローラー&クライナー サリックス、ダイアミン Registrar's Inkをそれぞれの穴に1滴ずつ垂らし、4日間放置して、完全に乾燥させました。

左側の列から、水道水、水道水で作ったアスコルビン酸1%水溶液、アルカリ電解水(LEC 水の激落ちくん)を入れて、10分程度放置した状態です。

プラチナとペリカンのブルーブラックは、どの穴の汚れもほとんど溶けてしまっており、水道水のみでも落ちてしまいました(プラチナで中央に青く見えているのは、色素で色の着いた水が残っているだけで、汚れは落ちています。)
R&K サリックスは、水道水とアルカリ電解水で少し黒い汚れが残っていますが、アスコルビン酸水溶液では、きれいに落ちています。
DIAMINE Registrar's Inkは、水道水とアルカリ電解水では、ほとんど落ちていませんが、アスコルビン酸水溶液では、きれいになりました。

以前自作インクの処方を検討した中で、酸化による変色を遅くすると、水に弱くなるということが分かっていますが、プラチナやペリカンのブルーブラックは、それに類する処方になっており、耐水性は落ちるけれども、安全性は高くしてあると考えられます。
DIAMINE Registrar's Inkは、以前分析して、鉄の量が多く色素の量が少ない、こてこての古典インクだろうと考えていましたが、やはり性能は高いが、安全性は低いインクという結果になりました。
今回は、水やアルカリ電解水でも落ちたプラチナとペリカンのブルーブラックインクですが、長期間固着させ、しっかり酸化させた後は、水やアルカリ電解水では落ちないことが予測されますので、古典ブルーブラックによる汚れと考えられる場合は、アスコルビン酸も使った方が良いようです。