趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

お二人目の自作古典インクモニターの方より感想をいただきました。

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自作古典ブルーブラックインクのお二人目のモニターとして名乗りをあげていただいた、stoneさんより、Cape Palliserの感想をいただきました。美しい字と絵で筆記見本を書いていただき嬉しいかぎりです。Museさんに書いていただいた時も思いましたが、やっぱり自分で書いたものよりも、他の方に書いていただいたものの方が、ずっと良いインクに見えます。
自作古典ブルーブラックインクの粘度ですが、原液の処方を、旧来の一般的な処方であるタンニン酸と没食子酸の混合から、没食子酸のみの処方に変えたときに随分下がりました。原液に色素を加えると粘度が上がっていくのですが、Cape Palliserに使っている黄色系の色素は、青系よりも粘度が上がりにくいように感じます。粘度が低いため、フローの良い万年筆だと出過ぎにならないか心配していたのですが、まずは問題無さそうで、サラサラのインクと表現していただけたのでホッとしました。
インクの乾きを良くする方法としては、蒸気圧が高く蒸発しやすい溶媒を使う方法が考えられ、サインペンやボールペンでは有機溶媒やアルコールが良く使われています。しかし、万年筆の場合は、有機溶媒やアルコールを主成分とすると、ペン先で乾き固着してしまい問題が生じると考えられますので、溶媒の主成分は水のものが多いようです。よって、インクの乾きを良くするには、表面張力や粘度を下げることで、紙への浸透性を高める手法を使うことになります。ただ浸透性を上げ過ぎると、紙へのチリや裏抜けが発生します。表面張力や粘度のベストの値は、万年筆と紙とインクのバランス、更に使う人の好みで変ってきますので、万人に良いインクというのは無いのだろうと思います。結局、インクは好みということになるのでしょう。stoneさんには、Cape Palliserを気に入っていただけたようで何よりでした。