万年筆用顔料インクのStoria Fireを入れて使っていたらカビ臭くなってきたので、がっつり、しっかり、ブログでも2回に渡って洗浄したプロフィットレアロには、Pen and message.の朱漆を入れました。
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赤黒くって、手に付いた時の血糊感が半端無いインクです。今回のインク入れ替えの時にも、手に付いたのを見られて、怪我をしたのかとギョッとされました。
カビ臭かった万年筆をインクに漬けると、インクを汚染してしまいそうだったので、別の瓶に小分けして吸入しました。
ローランBBというビタミン剤の瓶ですが、蓋にゴムパッキンが付いていたので、インク用にとっておいたのです。
家から職場まで、こぼれずに持ち運べました。
プラチナ クラシックインクのシトラスブラックやカシスブラックで見られる沈殿物はタンニン酸由来のエラグ酸だと思います。
発売開始から暫くして話題になっていた、プラチナ クラシックインクの特にシトラスブラックやカシスブラックで見られがちな沈殿物について、プラチナのページで説明が追加されたり、お店では説明のポップを店頭に表示したりして情宣しているのですが、あまりその説明は広まっていないようですし、最近はお店のポップも見かけないように思います。
そして私自身もブログで書いたつもりになっていて、記事を検索してみたら、書いていないことに今更気づきました。
プラチナのページでは、https://www.platinum-pen.co.jp/press_290206.html に書かれている下記の文言がそれにあたります。
※時間の経過により、ボトル内のインクに沈殿物がでる場合がありますが、クラシックインクの商品性並びに筆記性能に影響はありません。
上記画像のようなサラサラとした沈殿で、インクから変な匂いがしなければ、タンニン酸の分解物が3価の鉄イオンを触媒として生成する「エラグ酸」だと考えられます。
iron-gall inkに関する論文*1に、エラグ酸が生成することが書かれていましたので、シトラスブラックの沈殿を濾取して洗ってみると、白〜黄色っぽい粒子で、水に溶けず、DMSOに溶け、MSで合っていたので、NMRまではやっていませんが、おそらく間違いないと思います。
エラグ酸は、野菜や果物にも含まれる天然フェノール系の抗酸化物質です。
ja.wikipedia.org
沈殿が出ても、エラグ酸であれば、そのまま使って問題ありませんが、必ずインクの匂いはチェックして、黴など別の要因でないことを確認されてください。
軽く転倒混和*2後、静置*3しておけば、エラグ酸は沈殿しますので、上澄みから吸入すれば万年筆でも使用できます。実際、私はこの方法で、沈殿の出たカシスブラックやシトラスブラックのクラシックインクを万年筆で使っています。
エラグ酸の構造と、エラグ酸が生成する反応は、下記論文のsupplementaryをご参照ください。
bmcchem.biomedcentral.com
*1:https://bmcchem.biomedcentral.com/articles/10.1186/1752-153X-6-44
*2:瓶を振るのではなく、瓶を逆さにして戻すのを何度か繰り返します。
*3:平らなところに1~2分くらい置くこと。
R&Kライニガー万年筆洗浄液で、カビ臭いプロフィットレアロを、更に洗浄しました。
ローラー&クライナー(ROHRER & KLINGNER)のライニガー(reiniger)万年筆洗浄液は、購入して、pHを測って、そのまま仕舞い込んでいたのですが、プロフィットレアロのカビ臭さが取れないので使ってみました。
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アルカリ性なのと、おそらく香料が入っていて特有の強い匂いがするので、カビ臭さが取れることを期待して使います。
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ガラス瓶にプラ製の液溜めが付いています。
液溜めは小さく見えますが、プロフィットレアロのペン先がズッポリ浸かり、十分洗浄液を吸入できます。
下の画像は、レアロとは別の青墨を入れていた万年筆 (プロギアレアロ) を漬けたら、インクが溶け出して液溜めに溜まったもの。
汚れた液はスポイトで取り除き、液溜めが汚染された状態で転倒混和したりしなければ、中の洗浄液はきれいな状態をキープすることができます。
香料で鼻が誤魔化されているだけかもしれませんが、カビ臭さは気にならなくなりました。
Rohrer&Klingner Cleaner for fountain pens 45ml
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