趣味と物欲

博多天神界隈を本と文房具(万年筆とインク)と電子ガジェットを探して徘徊しています。

古典ブルーブラックという便利な言葉は2ch発?

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このブログでは、古典ブルーブラックインクを、「タンニン酸あるいは没食子酸および鉄イオンを含む万年筆用インク」と定義していますが、これらのタンニン酸鉄インクや没食子酸鉄インクを表す、古典ブルーブラックという単語は便利な言葉だと思います。
タンニン酸鉄インクや没食子酸鉄インクと言うと、化学的には正しいかもしれませんが、どんな色なのかピンと来ません。
また、パーマネントインクと呼ばれることもありますが、最近出たモンブランの顔料インクがPERMANENT BLACKやPERMANENT BLUEという名前であるように、現在では、顔料インクの方がパーマネントインクという名前により相応しいと思います。
この古典ブルーブラックという呼び方がいつ頃からあるものなのか調べてみました。
まず、趣味の文具箱のバックナンバーを見てみますと、
vol.3 p070では、混合型インクやパーマネントインクという表現が見られます。

ブルーブラックは長期保存に耐えるよう、鉄イオンが酸化する際に黒色沈殿を生じる化学変化を利用して、耐水性や耐光性を持たせた特殊な混合型インクだ。インクの箱などに、染料系が「ウォッシャブル」とあるのに対して、ブルーブラックは「パーマネント」と明記されていることがある。

混合型インクというのはよく分かりませんが、フルハルターのページに公開されているインク研究会の記事が元になっているのではないかと思います。

 “混合型インク”は染料と顔料、またはそれ以外の化学薬品との混合によって作られている。別名科学インクとも言われ化学変化を利用したインクでもある。消えないと言われる本来のブルー・ブラックはこの混合型インクの1つである。つまり、ブルーとブラックを混合したインクではなく、科学配合によるインクなのである。

vol.5 p074には、「本当のブルーブラックは消えない」とあります。
vol.7 p059では、セーラーの石丸さんが、インクに関する疑問に答える記事の中で、タンニン酸鉄インクと表現されており、さすが化学的な表現を使われていると思います。

以前、当社でも扱っていた「タンニン酸鉄インク」という、いわゆる暗号インクは酸化することで色が付き、退色しにくく、耐水性に富んでいます。

暗号インクという呼び方は、以前、「酸性紙は古典ブルーブラックインクの変色を遅らせるが、暗号に使える程ではないようです。 - 趣味と物欲」という記事にしたことがあるのですが、セーラーでは公式の呼び方なのかもしれません。
vol.11 p102のすてラボ!には、従来の方法で作られた"本物"のブルーブラック、とあります。
vol.14 p063には、昔ながらのブルーブラック伝統的なブルーブラックとあります。
そして、ようやくvol.16 p064のすてラボ!「オリジナル試験紙で古典度測定&インク自作で挑む 古典ブルーブラックインク研究」で、古典ブルーブラックという表現が出てきました。意外なことに2010年3月30日発行のvol.16まで、趣味の文具箱では、古典ブルーブラックという表現は使われていなかったようです。
それでは、このブログで古典ブルーブラックという言葉を使ったのがいつか調べてみると、一番最初に自分で試薬を混ぜて古典ブルーブラックを作ってみた時の記事「古典的ブルーブラックを作ってみた。 - 趣味と物欲」がそれでした。2009年2月24日の記事です。
これより以前に、古典ブルーブラックという表現に触れているはずなので、インクを自作する時、最も参考にさせていただいた万年筆評価の部屋を探してみましたら、2009年08月27日の記事に、古典的ブルーブラックというワードがありました。

1898年にペリカン社が「4001」の名前で発売する、長期保存が可能な古典的ブルーブラックインクの説明が中心ですが、その関連で、国の役所で使われたインクの組成は、プロイセン王国内務省が指定し、素材検査局がチェックしていたと書かれています。

更に昔の記事をGoogleで検索していきますと、
2008年1月31日

あまりにも優秀だったので、これはもしかして、鉄の酸化作用で色が定着する、いわゆる「古典的ブルーブラック」なのだろうかびくびくしはじめました。
その種の「正当派ブルーブラックインク」はちょっと"怖い(というか、そう簡単には使えない)"というイメージがあったので....

2006年9月3日

古典的なブルーブラックは別として、パイロットのブルーインクは保存性&インクフローは優秀です。
私はこのインクを入れてフローが悪ければ、これは万年筆の調整が悪いという判断にしています。
投稿者: ねこのぽちお (2006/09/03 17:51:39)

2006年8月13日

ちなみに、私は、ブルーブラックインキをよく知るために、硫酸第一鉄などを配合して自分で伝統的なブルーブラックインキを作る実験をしたことがあります。鉄片を使って一部酸化した硫酸第一鉄を還元したことを思い出します。実験レベルの超古典的な配合のインキでしたが、劇的にカスが発生しました。如何にメーカーがカスが発生しないように努力してきたかということを痛切に感じました。また、にじみ防止が案外たいへんなのだということも実感しました。

2005年7月17日

23 : _ねん_くみ なまえ_____[0] : 2005/07/17(日) 06:37:45 ID:???
>>20
古典BBを擁護した後はラミ・ペリを貶すんだろうなと思ってたら…
わかりやすいな

2004年7月25日

17 名前:_ねん_くみ なまえ_____:04/07/25 21:00 ID:???
詰まらせて泣いた御仁はおらんのかい。
カーボンブラック、ファウントインディア、古典的ブルーブラックなどを
劇薬指定して、取り扱いには細心の注意を、などとという話はよく聞くけど、
あーあ、やっちゃった、という体験談はあまり耳にしない。なんだか
実体のないお化けを恐れているんじゃないかという気がしてきたんだが。

ということで、2chの万年筆インクスレにまで辿り着きました。
これより以前に使われている例がありましたら、教えてください。
古典ブルーブラックは2chが起源?という記事のコメント欄で情報をいただきました、ありがとうございます。

色合いの変化から見て、ペリカンも酸化作用を利用した古典的B-Bだと思いますが

同じく、2chの万年筆インクスレの2瓶目まで遡れました。2003/04/17 00:28の投稿です。