「新しく買い直したダイアミン レジストラーズインクを使って洗浄法を検証します」という記事を公開したとき、また都合の良いように解釈されて、勝ったの負けたの最強だのというネタに使われてしまうことを危惧していたのですが、やっぱりそんな感じになってしまいました。
前回の記事も今回の記事も、それぞれのインクの特性を知り、使用時の注意点やメンテナンスの方法を選択する上で参考にしていただきたい情報であって、インクの優劣を決めるための情報ではありません。
「インクは好みが9割」、各人好きなものを使えば良いじゃないですか。
「みんなちがって、みんないい。 by 金子みすず」
古典ブルーブラックに関して疑問のあるときは、せっかく未来の日付でトップに来るように紹介してますんで、ご覧いただけたら幸いです。某所では、「顔料ヨイショ古典ネガキャンやってる人」扱いされてますが、えーっそうだったのか!と自分でもびっくり^^;
それから、「アンチダイアミンの総本山」扱いもされてますが、、、「趣味と物欲がやられたようだな」「ククク…奴は四天王の中でも最弱、、、」という感じじゃないでしょうか。
そもそもアンチダイアミンという意識も無かったのですが、ダイアミン レジストラーズにちょっとでも不利なことを書くと、アンチダイアミンというレッテルを貼られるようです。
前置きが長くなりましたが*1、顔料インクでも同じような試験をやってみました。前回の条件と合わせて中途半端に19日間放置して乾燥させていたので前回から日が開いてしまいました。
プラチナ カーボンインクとセーラー 極黒です。カーボンインクの方には黄色いシール、極黒には緑のシールを瓶と合わせて、パレットとスポイトにも貼りました。
インクを一滴ずつパレットの穴に垂らし、
垂らしたインクを爪楊枝の後ろ側でパレットの穴に塗り広げますが、この時点で両者に違いがでています。極黒はパレットからはじかれていますが、カーボンインクはべったりとパレットに付いて、塗り広げることができました。
この後、ゴミが入らないようにダンボール箱の中に入れて19日間放置しました。
乾燥後です。テカテカして見えますが、水分は完全に飛んでいます。
パレットの下に置いてある紙にあるように、パレットの穴の左上から右に向かって、水道水,4%重曹,激落くん、左下から右に、カーボンインク,極黒,未処置(何も入れない)になります。本当は、4%重曹の代わりにプラチナのクリーナーを使う予定だったのですが使い切っていました。プラチナタイプとヨーロッパタイプと2種類買っていたのですが、結構使っていたようです。
それぞれ液を加えてから30分間放置しました。
極黒は、水道水と激落くんの穴が黒くなり溶けてきていますが、4%重曹は逆に溶けていません。プラチナ カーボンインクは、水道水と4%重曹はまったく溶けておらず、剥れたものがそのまま浮いています。激落くんのみ溶けてきているようです。
30分後、加えた液を捨てたところです。
それぞれの穴を精製水で3回ずつ洗浄した後です。
極黒は水道水だけできれいに落ちてしまって驚きました。極黒は水で手入れできると聞きますがこの結果を見ると納得です。
プラチナ カーボンインクはまさに想像していたとおりの顔料インクという感じで、固まると水にはまったく溶けませんでした。ただ激落くんでは再溶解(再分散)できますし、今回は試せませんでしたが、プラチナ 万年筆インククリーナーキットを使えば、もっと落ちるだろうと思います。
極黒は、顔料インクを水でメンテナンスできるようにするというアプローチ、プラチナは、顔料インク用のクリーナーを用意し、万年筆にはスリップシール機構を付けて乾かないようにするアプローチ、とそれぞれ違う方向性で工夫を凝らしているところが面白いです。
これもどっちが良いかじゃなくて、どっちも使いたくなりますね。
*1:前置き長くすると、また某所で「趣味物は言い訳が多い」とか言われちゃうわけですが^^;