R&K (ローラ&クライナー) の2023年限定インクは、黒のiron gall nut inkだというので気になっていたのですが、ナガサワ文具センターにあったので購入してきました。
パッケージと瓶には下記のように書かれていて、メーカー自ら、鉄ニブのペンや、つけペン、カリグラフィーでも使うことを認めています。
Writing ink for fountain pens, steel nibbed pens, dip pens, and individual writing utensils for calligraphy.
珍しい黒色の古典インク (没食子インク) ということで、色素を入れていない没食子鉄の色なのか、黒の色素を入れたのか、色素の混色で黒にしているのか、という点をペーパークロマトグラフィーで分離して調べてみました。
下図中央のペーパークロマトグラフィーの結果によると、おそらく青、黄、赤の3色を混合して黒にしていると思われます。
上図下は、二価鉄試験紙による鉄の確認試験ですが、赤く変色しており鉄が多く含まれていることが分かります。
しかし、以前行なった下図のサリックスとスカビオサの結果と比べると、鉄の量が少ないような感じはしました。
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色素を混色して黒にするという話は、セーラーの石丸さんが若い頃にやった仕事で、万年筆の黒のインクを混色で作ったという話を読んだ記憶があります*1。
また、WAGNERの九州大会やご連絡いただいた方に、黒の古典インク (没食子インク) 「黒鐵」を配布したことがありますが、こちらも混色で作製していました。
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*1:元の記事を探せていないので、見つかったら追記します。